コンデンサーについての理解

ビッグバン宇宙論の否定のHPとか、相対論の否定のHPとかを読んでいたら、面白くて夜更かししてしまった。
「物理学者は計算するだけしか能がなくて、基本的な論理的思考が欠如している」
とか臆面もなく主張できてしまう彼らがすごいね。そんな人が
等価原理は間違っている」
とか言い出しちゃうんだから痛すぎる。
物理学において、原理というのは否定されるものではない。どんなに突拍子のないことでも(たとえば布団=ベッドというアホらしいことでも)それを仮定したとき、説明できる事象の数(集合論的には事象の濃度)が大きく、かつ従来理論を(近似としてでも)包含しているなら、その原理を認めてそこから出発するのが物理なのである。何も分かってないとしか思えない。


コンデンサーの極板間に働く力を求めるとき、仮想変位という手法を用いる。
コンデンサーが電荷Qを持って孤立しているとき、蓄えられている静電エネルギーは
U=\frac{Q^2}{2C}
である。極板を微小にdx動かしたとき、コンデンサーに蓄えられる静電エネルギーの増分が、極板に加えた外力による仕事である。そして、極板に加えた外力は、極板間に働く力と大きさが等しく逆向きの力である。これより極板間に働く力は
F=- \frac{\mathrm{d} U}{\mathrm{d} x}
となる。
しかし、ここから不思議が始まる。今は電荷Qを与えて孤立させたが、今度は電圧Vを持つ電池に常に両端を接続していた場合を考えよう。当然ながらコンデンサーに蓄えられる静電エネルギーは
U=\frac{1}{2}CV^2
である。しかし、極板間に働く力は、なんと
F = + \frac{\mathrm{d} U}{\mathrm{d} x}
で求まるのだ!
「はぁ?符号をプラスにしたら、加えている外力になるじゃねーか。符号を逆にしないとダメだよハゲ」
と言われるかもしれない。しかし、仮想変位dxによる増加で極板に蓄えられている電荷Qも伴って変化し、電池にそのエネルギーを還元するため、単純に孤立している場合と同様に求めることはできないのだ。その項を加味するとちょうど2U分だけ電池に戻っていくので、差し引きで極板間に働く力は+の符号で求まる、というわけだ。
電気系の問題で、これを知らないと(5)が解けないというものがあるのだが、受験生のうちどれくらいが知っているのだろう…。