剛体の衝突問題

力学を延々やった。大体マスターしたといっていいのではなかろうか。
ほとんどの勉強内容はterarブログ参照。


今日は放置していた、剛体の衝突問題について。
壁との反発係数は、壁に垂直な速度成分が- e倍されると解釈するのが一番いいようだ。
x軸に平行な壁では
e=-\frac{\dot{y}'}{\dot{y}}
である。
x軸方向の速度変化は
m(\dot{x}'-\dot{x})=F\Delta t
I(\omega - 0) = Fa\Delta t
となる(Fは摩擦力なので力積は進行方向の逆)。
terarと話したときはこれで終わりにしてしまったが、\omegaも衝突直後の回転角速度であり、求めなければならない物理量である。上の2式は\dot{x}',\omegaの関係を表す1本の式に過ぎず、ということは、もうひとつ「滑らない仮定」による条件が必要となる。
\Delta t秒間における「滑らない仮定」について考えてみたのだが、どうも上手くいかない。
反則技かもしれないが、剛体の運動が滑りがないときは、回転エネルギーも含めた全エネルギーが保存することを用いよう。
\frac{1}{2}M(\dot{x}^2+\dot{y}^2) = \frac{1}{2}M(\dot{x}'^2 + e^2\dot{y}^2) + \frac{1}{2}I\omega^2
が成り立つ。これで求めたい量\dot{x}',\omegaについて2つの式が出てくるので、衝突後の運動が定まることになる。


計算してるけどちょっとだるい。
できたらまた書いてみる。


追記
でけた。
\dot{x} = u_1 = \frac{u_0}{2},\;\dot{y} = v_1 = -\frac{1}{2\sqrt{3}}u_0,\;\dot{x}'=u_2,\;\dot{y}' = v_2 = \frac{e}{2\sqrt{3}}u_0
とおく。また、この問題設定では
I=\frac{1}{2}Ma^2
らしい(円柱の慣性モーメント)。エネルギー保存則は
u_1^2 + (1-e^2)v_1^2 = u_2^2 + \frac{1}{2}a^2\omega^2
と変形できる。また、uとωの関係式は
u_2 - u_1 = \frac{1}{2}a\omega
となる。ωに関するプラマイに自信がないので、第二式を二乗して符号の誤りの可能性を消し、第一式に代入してu_2についての二次方程式を作る。u_1,v_1などを代入してひたすら整理していけば
36u_2^2 - 24u_0u_2 + (2+e^2)u_0^2 = 0
が得られる。これを解いて
 u_2 = \frac{2\pm\sqrt{2-e^2}}{6}u_0
を得る。
二つの解が出てきたが、当然運動は一意に定まるべきである。u_1 = u_0/2より大きくなることはありえない。この解は、Fについての符号の情報を落としたことから出てくる、Fが運動の向きに働いた場合の解である。これを除外すると
u_2 = \frac{2-\sqrt{2-e^2}}{6}u_0
が得られる。これより
\omega = -\frac{1+\sqrt{2-e^2}}{3a}u_0
が得られ、当然ωの符号が負になる(すなわち時計回りに回転する)ことも分かる。
並進運動エネルギー:\frac{3+e^2-2\sqrt{2-e^2}}{36}Mu_0^2
回転運動エネルギー:\frac{3-e^2+2\sqrt{2-e^2}}{36}Mu_0^2
も代入して計算すれば、少々煩雑だが得られる。この合計は\frac{1}{6}Mu_0^2だが、
\frac{1}{2}M(u_1^2 + v_1^2) = \frac{1}{2}M(\frac{1}{4}+\frac{1}{12})u_0^2 = \frac{1}{6}Mu_0^2
となり、確かに運動エネルギーが保存している(その条件を課したのだから当たり前だが)。


(4)で、並進運動エネルギー:回転運動エネルギーが8:3になる条件を求める問題があるが、
3+e^2-2\sqrt{2-e^2} \: :\: 3-e^2+2\sqrt{2-e^2} = 8:3
としてやればよい。
しかしこれを解くのがまた一苦労だな……。
また後日。