閉ループ系の安定性

信号処理期末は、ひとつどう見ても(原理的に)解けない問題があった気がするのだが、あれはどうやるのだろう。6個の変数に対して5個の条件しか無いように見えたね。不可能問題だ。


状態空間表現と伝達関数の話を結びつけるのがヤバイ。
たとえば、一巡伝達関数H_1(s)H_2(s)で表されるようなフィードバック系の安定性に対する(必要十分)条件は
1.\;\frac{1}{1+H_1(s)H_2(s)}がプロパー(分母の次数≧分子の次数)
2.\;H_1(s)H_2(s)に不安定極消去がない
3.\;1+H_1(s)H_2(s)=0の解の実部が負である
で間違いないはず。
プロパー性を議論する上で、教科書に
1+H_1(s)H_2(s)\not\equiv 0
とか書いてあって、「はぁ?3.の条件と整合性なくね?」とか思っていたんだけど、冷静に考えてこれは
「『恒等的に0になる』に対する否定」
と解釈すればいい気がしてきた。
つまり、
H_1(s) = \frac{s+1}{s},\;H_2(s) = \frac{-s}{s+1}
はどちらもプロパーだが、すべてのsに対して
1+H_1(s)H_2(s) = 0
となってしまう。これでは制御も何もあったものではない。
「恒等的にゼロではない」を「『恒等的にゼロ』ではない」と読めるかどうか。


で、状態空間表現の行列との正定値性(固有値が全て正)などとの関連性を証明する問題が出たのだが、上の条件にどうやったら帰着できるのか。
一見簡単そうに見えて、計算していくと示すべき命題と違う式が出てきたりするんだよなぁ。多分命題よりも強い条件を課してしまっていると思うんだけど。
\dot{x}=Ax + bu,\quad u=-fx

f=b^T P\;(P=P^T,\;P>O)(正定値対称行列)
の下で
[tex:PA+A^TP-Pbb^TP
追記
閉ループ系は
\dot{x}=(A-bb^T P)x
となるので、A-bb^T P固有値の実部が負であればいいのだが
[tex:A-bb^T P実数でかつ負となるが、実数である必要はどこにもないのがポイント。